フリーランスSEの初めての確定申告 〜青色と白色の違い オススメはどっち?〜

更新日:

こんにちは。

『孤独になりがちな経営者が、なんでも相談できる場所であること』をモットーにしております、税理士の酒井麻子です。

はじめての確定申告はわからないことだらけ。

今回は確定申告の中でも、青色申告と白色申告の違いとおススメをお伝えします。

青色申告と白色申告ってそもそも何?

青色申告とは・・・

不動産の賃貸等による所得、事業から生じた所得、山林の売却による所得がある事業を行う人が、取引を帳簿に記録し、青色申告による確定申告を行った場合に税制上の優遇が受けられる制度です。

SEとしてフリーランスで独立した場合には、「事業から生じた所得」に該当します。

白色申告とは・・・

本来は白色申告という言葉はありませんが、青色に対して使われており、青色申告以外の確定申告を指します。

青色申告と白色申告はどこが違う?

1.税務署への手続き

2.青色申告特別控除で税金が安くなる

3.申告のための帳簿の作成

4.固定資産の費用化

5.プライベートのものと事業用がまざる経費も費用にできる

6.赤字の繰り越し

 

1.税務署への手続

青色申告をしたいと思ったときは所轄の税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」が必要です。

期限は青色申告をしたい年の3月15日までに申請書の提出が必要です。独立した年の場合で、開業日が1月16日以降ときは開業日から2か月以内が期限となります。

また、優遇税制を受けたいた場合には確定申告が必要になるケースがほとんどです。

これに対して白色申告の場合には青色申告に関する手続きは不要です。開業届だけ独立時に提出しておきましょう。

 

2.青色申告特別控除で税金が安くなる

青色申告をすると、10万円又は65万円の青色申告特別控除が受けられます。

特に出費することなく費用みたいに最大65万円を利益から控除することができます。

 

3.申告のための帳簿の作成

平成26年から白色申告者や申告が不要な方でもフリーランスであれば帳簿の作成が義務付けられました。帳簿には大きく分けて「簡易な記録」と「複式簿記」の2種類があります。

前述の65万円控除を受けるのであれば「複式簿記」に従った帳簿が必要です。10万円控除や白色申告では「簡易な記録」でも良いとされています。

 

4.固定資産の費用化

パソコンなどの高額なものを購入した場合、一括で購入時の費用にすることができない場合があります。その判断基準が白色申告と青色申告では異なります。

白色申告の場合、一括で費用化できない基準額は10万円。

これに対し、青色申告では年間300万円を上限に30万円となります。

 

5.プライベートのものと事業用がまざる経費も費用にできる

青色申告では家事関連費と言って、自宅兼事務所のようなプライベートと事業と共用している支出について明確な按分基準があれば事業用部分について費用として処理できます。

 

6.赤字の繰り越し

所得税の課税は暦年課税と言って基本的に1月~12月の1年単位で利益に対して税金が課税されますが、一部赤字を繰り越せる制度があります。

繰り越せる赤字はそれぞれ次の通りです。

白色申告:原稿料などの変動所得(限定列挙)と事業用資産の災害損失による赤字

青色申告:事業から生じた損失を3年間繰り越しできる

 

青色申告と白色申告どっちがいい?

青色申告ではメリットは上記以外にもたくさん用意されています。しかし、帳簿の段階で躊躇する方も少なからずいらっしゃいます。

それでも、青色申告はおすすめです。

青色申告3つのおすすめポイント

1.最低限の帳簿はおなじ

青色申告でも白色申告でも最低限のつくる帳簿はおなじ「簡易な記録」です。

つまり、同じものを作るなら10万円でも控除を受けた方がお得。

 

2.1年目が赤字でも将来黒字なら赤字を繰り越そう

青色申告は儲けている人がやるものに思われがちですが、今後事業を拡大していくのであれば、赤字を繰り越して将来の納税を抑え、出費を減らすという資金繰りの効果がありますので、スタートから青色申告が有効です。

 

3.SEは経費がすくない

SEの仕事は仕入れもなく、フリーランスであれば人件費をはじめ経費がほとんどかかりません。つまり、納める税金が多くなることがほとんどです。なるべく経費を認識し、青色申告特別控除などを活用しましょう。

また、青色申告の申請書を提出しても、やっぱり無理だ!と思ったら白色申告で提出することも可能です。まずは申請書の提出からはじめてみてはいかがでしょうか。