フリーランスで確定申告を初めてする前にやるべき4つのポイント(第28回)

フリーランス 確定申告 初めて

こんにちは!
税理士の脇田みきです。

春ですね~。暖かくなってきてとても気持ちのいい日々です(花粉症の方は辛そうですが…)。

 

さて、今年の冬も3回、Peach株式会社さまフリーランスエンジニアさん向けに確定申告セミナーをさせていただきました。


追加で確定申告に関する「質問会」もさせていただき、少しでも参加されたフリーランスの皆さまのお役に立てていたら嬉しいです。

 

Peachのセミナーって一方的に講師(私)が話すのではなくて、参加者同士お互い「自分はこうやってるよ」とか惜しみなく情報交換しあって、実践的で楽しいです。

 

 

その開催した確定申告セミナーで、いくつか質問をいただきました。

「確定申告書・決算書の作成方法や、税金の計算の仕方がわからない!」
「できれば税金を少なくするために、何をしたらいいの?」


など、確定申告自体が初めての方もいらっしゃいました。

ただですね、いざ2月や3月になって確定申告をしようとする前に、その前に日々ご自身でしておかなればいけないことがあるんです!

 

今回は、初てフリーランスになった時に、確定申告日締切日までにしなければならないことを、4つのポイントにまとめてご紹介していきます。

 

①勤務先の源泉徴収票をもらう

フリーランス初心者が確定申告の前にやるべき4つのポイント(第28回)

 

サラリーマン(アルバイト・パート含む)だった方が、会社を辞めてフリーランスになった場合、退職時に「源泉徴収票」をもらうはずなので、これを大切に保管しておいてください。

 

確定申告に必要です。
もしもらってなかったら、もらってください。

紛失してしまった場合にも、確定申告の際に必要となりますので、再発行をお願いしてください。

会社はちょっとくらい「面倒くさいなぁ…」と思うかもしれませんが(笑)、源泉徴収票の発行は会社の義務ですし、出してくれますよ。

 

とはいえ、3月になって慌てて

「去年辞めた者ですけど、来週までにください!」

っていうのは忙しい相手にとって迷惑だと思うので、早めに発行をお願いしましょう。

 

またフリーランスをしながら、アルバイトもしている、という方もいらっしゃると思います。

その場合は12月の給与をもらう際に源泉徴収票をもらえるはずですから、そちらを確定申告の際に使います。

 

ただし、平成31年度税制改正で、源泉徴収票の添付は不要となるようです。
(添付しなくても給与の額や社会保険料の額、源泉所得税の額などを知るために手元には必要です)

 

要するに、もう辞めててもまだ働いていても、とにかくその年に(たとえ1ヶ月でも)給与をもらっていたらその会社から「源泉徴収票」をもらってくださいね。

(ちなみに、業務委託でもらう場合の「支払調書」は、必ずしも相手側の会社が出してくれるとは限らないし、確定申告に添付の義務もないのでもらえなくても大丈夫です)

 

②フリーランスになったら「青色申告承認申請書」を出す

 

もしこのブログを、フリーランスとして開業してから2ヶ月以内に読んでいたら、税務署に「開業届」と一緒に「青色申告承認申請書」も出すようにしてください。

 

青色申告のメリットについてはこちらを読んでくださいね。

 

翌年の2月や3月になって、税金の計算をしてみると、Peach所属のフリーランスSEの方は必要経費が少なくどうしても利益が出るので(それは喜ばしいことだけど)、税額がけっこう出ます。

そのときになって「え~」と思っても、青色申告承認申請書を出していなかったらもう遅いのです。

 

翌年分からは青色にできるけど、その年の分は白色で申告するしかなく、

「あーー、青色申告承認申請書出してたら〇〇万円税金が少なくなったのになぁ」

と思ったケース、けっこうあります。

 

開業した年から青色申告したい場合は、開業して2ヶ月以内に申請書を出す必要がありますので、すぐ出すようにしましょう。

 

③レシートや口座振替の明細を取っておく

フリーランス初心者が確定申告の前にやるべき4つのポイント(第28回)

 

私自身もそうだったんですけど、会社勤めの時って、レシートを取っておく習慣がないんですよね。

お財布パンパンなのが嫌で「レシートいりますか?」ってレジで聞かれて「いえ、けっこうです」て断っていました。

でも!!
フリーランスになったら経費になるレシートや領収書はきちんともらうようにしてください。

※ちなみに、レシートと領収書の違い?については、こちらに詳細が書かれています。

 

どういうレシート(領収書)をとっておくべきかというと

  • 仕事の打ち合わせの飲食代
  • ノマドでお仕事したカフェ代(自分1人でもOK)
  • Suica等交通系icカードのチャージ代(チャージしただけでは全額交通費になるわけではないのですが、まずは、領収書をもらうようにしましょう。)
  • 仕事で使う筆記具
  • ケータイ代、通信費(web明細であとで確認しようと思っても、金融機関によって数ヶ月分しか印刷できないこともあります。毎月PDF保存等しておくといいです)
  • 書籍代、文具代


などです。

 

なんでもかんでもレシートがあれば経費になるわけではありませんが、レシートがないことには経費にすることは厳しくなります。

どっちかな?と迷ったら、とりあえずはもらっておいて保管しておきましょう。

経費になるかならないかは、あとから考えることもできます。

 

ところで「経費になる」と何がいいのでしょう…?

売上から経費を引いたものが「利益」で、その「利益」に税率をかけて税額が計算されるので、経費が増えるとそれだけ税金が少なくなるわけです。

所得税は超過累進課税といって儲けが少ない人は税率が小さく、儲けが多いと税率が大きくなるのですが、一番少なくても5%です。

 

住民税は一律10%なので合わせると15%。つまり1,000円のレシートをもらって経費になれば、最低でも実質150円お値引き、みたいなことなんです。

儲けが大きくて税率が大きくなればもっとです。

 

経費にすべきレシートをもらわないことがどれだけもったいないか…分かりますね?

それに、税金を少なくするためだけではなく、実際「自分の事業はどれだけ儲けが出てるんだろう?」ていうのが、レシートがないと分からなくなってしまいます。

 

レシートどんどん捨てて支出が多いことに目をつぶって「いや~儲けが多くてさ~」って自慢にはなりません(笑)。

利益を出そうと、本当に節約することはいいですけどね。

 

とにかく、フリーランスの方は事業に関するレシート等をとっておく。

そしてできれば月ごとに封筒やファイルにしまっておきましょう。


④事業用の口座を分けるとよい

フリーランス初心者が確定申告の前にやるべき4つのポイント(第28回)

 

確定申告の際、通帳を見ながら会計ソフトに入力したり、会計ソフトと連動させて読み込んだりします。

そのときに、プライベートのものと事業のものとが混在していると、けっこう面倒です。

 

開業したのだから新しく事業用の口座を作ってもいいですし、そこまでしなくても、2つ以上の口座を持っているなら、そのうちの1つを事業用として使うようにすることをお勧めします。

Peachから入ってくる口座を事業用とするのです(プライベートのものは極力使わない)。

 

分けてないと申告書を作成できないわけではありませんが、分けてあると楽になります。ぜひ意識してみてください。

 

2019年ももう3ヶ月が過ぎました。

2019年分の確定申告は2020年の3月になりますが、今この時期に必要なことはしておきましょう!

 

 

 

 

フリーランスで初めて確定申告をする時の4つのポイントまとめ

 

初てフリーランスになった時に、確定申告日締切日までにしなければならないこと、をご紹介させていただきました!

下記がまとめです。

  • フリーランスになったら、勤務先の源泉徴収票をもらう
  • 青色申告承認申請書、開業届を出す
  • レシートや、口座振替の明細を保管しておく
  • 事業用の口座を作り、プライベートでと切り分ける